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2008年2月19日 星期二

東芝、HD DVD全面撤退 規格統一で普及の起爆剤?

東芝、HD DVD全面撤退 規格統一で普及の起爆剤?

 東芝が高画質DVD「HD DVD」からの全面撤退を発表した。規格がブルーレイディスク(BD)に一本化されることで消費者が商品選択に戸惑う事態は避けることができる。

 業界関係者には規格統一で、高画質DVDの普及に弾みがつくと期待が広がるが、現行のDVDの録画再生機との価格差は大きい。また、ハードディス クドライブ(HDD)の録画機器やネットによる高画質な動画配信サービスなどライバルも多く、規格統一が起爆剤になるか不透明だ。(佐々木鮎彦)

買い控え解消、業界期待

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事業撤退についての記者会見の冒頭、一礼する東芝の西田社長(東芝本社で)

 「苦渋の決断だが、事業を終息させる」――。19日夕、東京・港区の東芝本社で記者会見した西田厚聡社長は撤退を発表した。

 東芝の撤退の直接の引き金を引いたのは、米映画ソフトで2割のシェア(市場占有率)を握るワーナー・ブラザースだ。それまで両規格を支持していた が、1月、BD単独支持に方針転換した。さらに2月に入って、小売り世界最大手のウォルマート・ストアーズなど流通大手がBD支持に回り、撤退への流れが 加速した。

 メーカーには「規格が二つに分かれていたことが高画質DVDの普及を妨げていた」(大手家電メーカー幹部)との認識がある。調査会社BCNによる と、国内のDVDレコーダー市場全体に占める高画質DVDの販売台数の構成比は、昨年9月は1・8%だったが、各社が長時間録画できる機種や10万円を切 る新製品を相次いで投入し、11月に比率は21・1%まで増えた。だが、消費者が現行のDVDから乗り換えるスピードは速いとは言えない。

 規格統一を受けて、BD陣営のあるメーカーは「4~5月には、高画質で北京五輪を録画保存したいという五輪特需が盛り上がることが期待できる」と話しており、北京五輪で普及を加速させる戦略だ。

 しかし、BCNの田中繁広取締役は「規格が統一されるからといって市場が急速に拡大するとは限らない」と懐疑的だ。長時間録画が可能な大容量の ハードディスクが普及しているほか、現行のDVD録画再生機が5万円台が中心なのに対し、高画質DVDは、低価格機でも10万円前後で割高だからだ。

 さらに、今回の規格分裂の一連の騒動によって、消費者のAV(音響・映像)機器業界に対する不信感が残れば、普及のスピードが鈍ることも予想される。

マイクロソフトも

 マイクロソフトは、据え置き型の家庭用ゲーム機「Xbox360」に対応しているHD DVDプレーヤー(メーカー希望小売価格税込み2万790円)の生産、販売を中止する。中止時期は未定だ。

 マイクロソフトは2006年11月からプレーヤーを販売してきた。しかし、「推進役の東芝が事業から撤退する以上、独自に生産や販売を続けることは困難と判断した」(広報)という。購入者へのアフターサービスは継続する。

HD DVD 今後は

 「HD DVD」製品をすでに購入した人に対する東芝の今後の対応をQ&A形式でまとめた。

 修理などアフターサービスの体制は。

 修理などは販売中止後も続ける。保証期間内で通常の使用による故障であれば無料だ。国内で販売したレコーダー(録画再生機)などの補修用部品は、今年3月予定の製造打ち切りから8年間は東芝が保管する。

 HD DVDのソフトの生産は。

 日本国内では約200本、全世界では1000本が発売されているが、徐々に入手しにくくなることが予想され る。今後、新たなソフトは発売されなくなる見通しだ。ただ、日本で販売されたHD DVDは録画再生機が多いので、テレビ放送の録画用として使用できる し、現行DVDの再生もできる。

 録画用のHD DVD用ディスクの生産は。

 東芝は、記録用ディスクの販売を継続できるようディスクメーカーと協議すると説明している。

 消費者からの問い合わせへの対応は。

 修理などに関する問い合わせはインフォメーションセンター(0120・13・1353、携帯電話からは0570・00・1353、午前10時~午後8時、日曜・祝日は午前10時~午後4時)で受け付ける。

2008年2月20日 読売新聞)

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